新潟県の本土から約45km離れたところにある佐渡。
そこは、朱鷺(トキ)が自然界で舞う島としても有名です。
平成23年(2011年)には、 “トキと共生する佐渡の里山”として、「世界農業遺産」に認定されます。
「世界農業遺産」とは、 現在まで継承されてきた農村文化や田園風景といった伝統的な農業を未来に継承し、農村地域の復興・活性化につなげようとする取り組みで、 FAO(国際連合食糧農業機関)が認定する制度 のこと。
国内でも、ほんのわずかな地域しか認定を受けていないのです。
国内で絶滅してしまった朱鷺を野生復帰させるため、農業の在り方に生産性ばかりを求めるのではなく、従来のような自然に優しく、自然と共に生きていけるような減農薬・減肥料を中心とした取り組みが増えていきました。
それとともに、乳牛の食料となる稲わらも、自然と体に優しいものになるので、それを食べて作られた(搾られた)牛乳も必然的に風味が変わるのです。
牛乳そのものもノンホモジナイズド(低温長時間殺菌法)で、牛乳本来の香りを堪能できるリッチなものなのですが、それを使って作り出された乳製品たちも絶品!
バター、チーズ、焼き菓子など、さまざまなラインナップがあるのですが、その中でもイチオシなのが【クリームチーズ】。
冷蔵庫から出したてなのに、スプーンですくい取りやすい!扱いやすさも別物です。
シンプルなパッケージからは想像もつかない、ふんわりとした柔らかな食感にまず驚かされます。
クリームチーズといえば、Kiriやフィラデルフィアなどが一般的だと思っていた筆者にとっては、この軽い食感が衝撃的で、しかも濃厚な味わいを期待していただけに、またしてもいい意味で裏切られました。
それは、「塩気の薄さ」、「後味がとても軽い」こと。
料理や菓子作りに使うのであれば、いつものコクは期待できません。
ですが、いくらでもお代わりできてしまうほど、口どけが良く、上品な軽い風味はきっと、新しいクリームチーズとして、あなたの概念を変えてくれるはず!
お薦めの使い方は、メイン使いではなく、+αで“たっぷりめに添える”こと。
例えば、野草(ハーブなど)やフルーツを加えたパンケーキ。
今回は摘みたてのゆがいて刻んだヨモギを加えたパンケーキを用意してみました。甘さを和らげながらヨモギの香りを楽しみたい気分に、ドンピシャ!
素材の香りを邪魔せず、クリームチーズのやさしい塩気と湿り気が加わることで、一気にパンケーキが食べやすく変わります。
ヨモギという香りが強い食材を加えたにも関わらず、クリームチーズのまろやかさが加わることで、3歳と4歳の子供たちもぺろりと平らげ、お代わりにも手が伸びました。
これぞ、ハーモニー!ほんのりの塩気も、見事に美味しさを引き立ててくれます。
他には、辛さが強めだった自家製キムチを、これまた佐渡産のワカメを加え、醤油を1かけ+クリームチーズで和えると、マイルドな味わいに大変身!
あれだけ家族の進みがイマイチだった濃いめの本格キムチも、あっという間に消費してしまいました。
辛みを包み込んでくれるクリーミーさが心地よい・・・クセあり食材も見事に変身!
そして何より讃えたいポイントは、口当たりが軽いので、カロリー過多という罪悪感が少ないということ!!
実際に、ホームページなどでは公表されていませんでしたが、製造元の佐渡乳業さんに問い合わせてみると、やはり市販のこってり系クリームチーズよりも低カロリーとのこと。ホイップクリームのように、空気を含ませる割合を高めることで、このような食感や口どけを実現しているのだとか。
ちょっと自分の時間が取れなかったり、思うように物事が進まなくて気分が落ちている時でも、このクリームチーズを口にしたら、ふんわりとした気持ちに変わるから不思議・・・
ぜひ、この新感覚のクリームチーズで、いつもの組み合わせをランクアップさせて楽しんでみてくださいね!