梅は、日本人にとって欠かせない食文化ですよね!
私は茨城出身。
梅とは切っても切れない土地で生まれ育ちました。
そんな梅好きで食オタな私が、こよなく愛している梅の実がコチラ!!!

和歌山県「森本農園」の南高梅です!!!
毎年お取り寄せして、もう何年になるかな~?!
森本さんの梅の実は、香り高くて何にしても美味しいんですよねー!
6月。梅のシーズン到来!!
今年は何をつくろうかな~♪
森本さんの梅が届いた!
私が生まれ育った茨城県には、梅林で有名な水戸の「偕楽園」があります。
偕楽園は、通っていた高校が近かったので下校時にたまに遊びに行っていた、馴染み深い場所。
※偕楽園には、本園部分だけで100種3000本の梅が植えられており、兼六園(石川県金沢市)・後楽園(岡山県岡山市)とともに、「日本三大名園」に称されます。梅は、茨城県の木としてシンボルにもなっています。
そんな ”梅の土地出身” の私が、魅了された梅…。
それが!!
和歌山県の森本さんの梅♡

森本さんの梅ってこんな梅!
今年も届きました~♪

今回は、南高梅2キロをお願いしました。
梅の実のサイズ
「4L」サイズと段ボール箱に書いてありますが、2キロで何粒くらいなんでしょう?
箱から出して並べてみると…
49粒!

その中でも大きめの実を量ってみると…
53g!!

大きい~~~~!!!
これは「5L」クラスですね!
<南高梅の規格サイズ>
規格 | 実の直径 | 1粒重さ | 1㎏の粒数 |
4L | 4.5cm以上 | 45g | 約24粒 |
3L | 4.1~4.5cm | 35g | 約30粒 |
2L | 3.7~4.1cm | 25g | 約40粒 |
L | 3.3~3.7cm | 20g | 約50粒 |
M | 3.0~3.3cm | 15g | 約67粒 |
ちなみに「4L」とは、梅の実の規格の中で最も大きいサイズ。
通常、4Lサイズは市場には出回らないんですよ~!
なぜ4Lの梅が市場に出ないか??
4Lまで実が大きくなるということは、樹上で大きく育ち、完熟に近づいているということ。つまり市場を通って食べる人の手に届くころには、黄熟して腐ってしまう可能性もあるので、市場流通にはなかなかのせずらいのです。
だから大粒の実は、産地直送などで取り寄せないと入手困難ということ!
しかも、“青梅”は特に!!
今年は、4L・青梅だーーー!!!

やっぱり大粒の食べ応えと、美味しさは格別なのです!
梅干しにしても果肉感たっぷりだし、梅酒や梅シロップにしても果肉まで楽しめます♪
森本さんの梅の品種
森本さんの梅は「南高梅」という品種。
「なんこうばい」と読まれることが多いですが、正式には「なんこううめ」と読みます!

(ちょっと黄熟ぎみ)
南高梅は、大粒で果肉や皮が柔らかく、種が小さめ。
芳醇な香りがするので梅酒や、とろける果肉で梅干しに適した品種でもあります!
日光に当たるとほんのり赤くなる梅で、緑色と赤色のコントラストがなんとも愛おしい♪(あの梅酒のイラストを思い浮かべちゃう)

森本農園は、和歌山県日高郡みなべ町(旧南部町)にあります。
南高梅は、みなべ町が発祥で、和歌山で栽培されている梅のほとんどがこの南高梅と言われます。
ちなみに「梅」の生産量は、和歌山県産がシェア6割で全国1位なんですよ~!
今年の梅仕事!なに作ろう♡
毎年、この季節。
梅仕事をすると「また1年経ったんだなぁ…」と、焦ります…。
いや、季節の移ろいを感じます♪
もう何年、森本さんの梅と向き合ってきたかなぁ~?
過去、いろんなものを作りました!
梅シロップ
定番ですが、梅仕事と言えばやっぱりこれ!

氷砂糖を入れたこの光景が、なんとも好き♡
「おいしくな~れ」と、毎日様子をうかがう事が日課になる。

梅シロップは、子どものころから実家でも毎年仕込んでいて。
牛乳で割るとフルーチェやヨーグルトのように固まります!父親が大好きなのよね…。
炭酸で割ってさっぱり飲んでもいいのですが、私はお湯割りで飲むのが好き♪

あと、梅シロップをゼラチンで固めて、梅ゼリーにすると美味♪
梅ジャム
これも私の中では大定番!

シロップの残り梅じゃなく、生梅そのまま煮詰めて作ります。
甘酸っぱさと梅の香りが、もぅ~たまんない♡
梅干し
2年モノの中に、塩ふいてるの発見~!

あぁぁ~、見てるだけでしょっぱい!
唾でてくる~!
外に干して日中出かけられないので、私のは梅干しというか、半分「梅漬け」ですけどね~。
熟度によって変わる梅の用途
梅仕事いろいろとありますが、どんな梅でもよいという訳じゃないんです!
梅の実の熟度によって、用途が変わります♪
実の状態:硬く緑色
→ 梅酒・梅シロップ 向き
実の状態:柔らかく黄色
→ 梅干し・梅ジャム 向き
梅干しを作るなら、黄色く熟させてから作るといいんですよね~!
青い梅のまま漬けると、皮が残る感じで、実も堅くてあまり美味しくありません。
そして、梅酒や梅シロップは、キリリと酸味があってまだ硬いうちに仕込みます。

もし熟し具合が足りなければ、おうちでカンタンに追熟させることができます。
というか、置いておくだけにすぐに熟しちゃう!!
追熟の方法
段ボールに入れたままで、上に新聞紙をかぶせておきます。直射日光が当たらない場所で、2~3日置いておけばOK!
熟すと実の色が黄色くなって、辺りに甘酸っぱい香りが漂ってきますよ♪
※置きすぎると腐るので注意!
青梅は生で食べちゃダメ?
青梅の果肉や種の中心部(仁じん)には、「アミクダリン」という毒成分(青酸配糖体)が含まれます。
なので「青梅は生で食べるとおなかを壊す」と言われています!
実の熟度が進むと酵素の分解の働きで、アミクダリンは糖に変わります。また青梅も、塩や砂糖で漬け込んだり、加熱すれば問題がないほど低濃度になるそうなので、普通に漬ければ大丈夫とのことです♪
※アミクダリンを含むのは、バラ科サクラ属の植物。梅のほかにも同じバラ科の、アンズ・モモ・スモモ・アーモンド・ビワなどの未熟果・種子に含まれています。植物がこのような毒を持つのは、種を守る自己防衛のためと考えられています。
▽東京都福祉保健局ページ(有毒植物説明)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/17.html

今年はなに作ろう~??
せっかくの青梅を活かしたいな♪
そうだ!
亡きおばあちゃんが、青梅でよく「甘じょっぱくてカリカリする梅」を作ってくれてたなぁ。
「南高梅ではカリカリ梅はできない」と言われています。皮が薄くて果肉が柔らかいから。
…本当に南高梅じゃ、カリカリにできないのかな?!
今年は、その真意を確かめてみようじゃないですか~!!!
卵の殻でカリカリ梅に挑戦!
さっそく母親に電話して、おばあちゃんの ”甘じょっぱくてカリカリする梅” の作り方を聞いてみると…
「市販のカリカリ梅の元を使っていたわよ~」
う~む。
近くのスーパーにはそんなもの売っていない!!
ということで。
身近にあるもので、カリカリ梅にチャレンジすることに!
そこで準備したのが、「卵の殻」!!!

どうやら卵の殻は、梅をカリカリにしてくれるみたいなんです。
なぜ卵の殻でカリカリに?
梅には「ペクチン」が含まれますが、ペクチンが作用するとジャムのようにゲル状に…。そこに、「カルシウム」が含まれる卵の殻を入れると、結合して「ペクチン酸カルシウム」になります。この「ペクチン酸カルシウム」が梅の実を柔らかくするのをストップさせ引き締めてくれるので、カリカリ食感になるというわけです。
卵の殻で本当にカリカリになるのか?
実験も兼ねて仕込んでみたいと思います!
梅の実の下準備
さっそく梅仕事開始~♡
まずは、梅の実をよく水洗い。

梅の実を水につけると、キレイですよね~!
空気をまとって、光り輝く感じ♪
この姿がまた好きなんです…。

見とれてないで、洗わなきゃ。
指の腹でひとつひとつ丁寧に洗ってあげます。

ひと晩水につけると言う人も居ますが、鮮度の良い梅はその必要はナシ!
(※あまり長時間水につけっぱなしにすると、逆に傷が広がったり腐ったりするので注意ですよ!)
1~2時間ほど、たっぷりの水に泳がせて、軽くアク抜き。
そして、なり口のホシを竹串などで取り除きます~。
ここです↓

竹串を、周りから入れると…
ポロっと簡単に取れますよ~♪

時間もかかるし面倒な作業だけど、
意外と好きなんですよね~これ。
いっぱい取れると、なんか気持ちいい!(笑)

なり口をくるくるしながら、
1粒づつ丁寧に水分を拭いてあげます。
水浴び後の梅さん。
気持ちよさそう~♪

塩と酒を振りかけて、よ~く塩を揉みこみます!
塩はにがり成分が多く残っているものを使いました♪(伯方の塩)

このまま2時間放置。
(冷蔵庫に入れる)
その間に、
・卵の殻
・赤紫蘇
の準備をします~!
卵の殻の準備
消毒も兼ねて、数分グラグラと煮ます。

内側の薄皮をむき…
これね↓

細かく砕いて、天日干し~♪

天気がいいとすぐ乾く!
乾いたら、ネットやお茶パックに入れてセットします。
私は排水溝用のネット(きれいなやつ)を使用♪

赤紫蘇の準備
おばあちゃんの甘じょっぱいカリカリ梅には、赤紫蘇が入ってたんですよね~♪
葉っぱだけ使います~。
(口当たりが少々硬くなるので、葉の軸の部分も私は取り除きます)

塩でもんで…

ぎゅーっと絞ると、アクが出てきます。

2回くらいアクを出したら、塩とお酢をかけて置いておきます(酢で赤く発色!)

梅を仕込む
約2時間後。
塩は溶けはじめていますが、軽く水洗い~。
割った方がカリカリになるのかな?
丸のままの方がいい??
これも試してみましょう!

種取り出すの、なかなか大変だなぁ…。
青梅の酸味で、ささくれがメチャ痛かったです!(汗)
砂糖を梅の同量程度、梅と交互の層になるように入れていきます~。
卵の殻を入れたネットは一番底に仕込み済み。

三温糖が好きなのですが、足りずに急遽、上白糖もブレンドすることに。
最後は砂糖をかぶせるように入れました!

そうそう。
梅シロップなども、このジッパー付き袋で作れます!
よく見る赤い蓋の、あのガラス瓶。
重いし邪魔になりますもんね…。
少量仕込むなら、この「袋仕込み」で!
赤紫蘇も一緒に漬けこんじゃいました♪

比較のために、紫蘇なしも。

4日後。
まだちょっと速いですが、試食。

●卵の殻ナシの方は、果肉が溶けちゃってますね~。
そりゃそうだ。
ただ砂糖で漬けただけ。梅シロップと同じだもんね~!(笑)
●卵の殻を入れた方は、実がしっかり残ってる。
果肉感が、おいしい~♪
でも…、カリカリはしないなぁ…。
※どちらも丸ごと漬けたものよりも、割って漬けたものの方が柔らかくなっていました。
実験結果と新しい発見!
ということで、結論!!
<結論>
やっぱり南高梅では、カリカリ梅はできない!
市販のカリカリ梅の元を使うと、また結果は変わるかもしれないですが…。
挑戦は失敗に終わりましたが、ひとつ発見が!!!
梅シロップを作る際も、卵の殻を入れた方がいいかも!?
通常、だしガラみたいになってしまう梅の実。
カルシウムを含む卵の殻を入れて漬け込むことで、南高梅でも果肉が少ししっかりする → 食べる梅の実として効果発揮かも!?(まだ数日の漬け込みなので、経過を見てみないと断定できませんが…)
そしてシロップの味は、おばあちゃんの味だーー!!!

あの頃の夏を思い出す、懐かしい甘じょっぱさ!!
(おばあちゃんちで、梅を食べ、梅ジュースを飲むのが楽しみだった)
もう本人に正解を聞くことができないのが、残念ですが…。
こういう伝統を、つなげていけたらいいな~。
森本さん梅のオススメの食べ方
私が最もオススメする、森本さんの梅の食べ方。
それは、「梅ジャム」!!!
いままでいろいろ試してきて、これが最高なんじゃないかと思います!
梅ジャムの作り方
<材料>
・黄熟させた梅 好きなだけ
・砂糖 梅の重量の同量
※梅は黄色がかっているものを集めて、さらに黄色く完熟させてから、梅ジャムにします。
※梅の実が黄熟していれば、あく抜きは必要ありません!長時間あく抜きをすると変色したりします。
梅シロップ後の梅でもジャムは作れますが、ぜひ生梅から作ってみて下さい!!
香りと風味が全然違います!!!!
① 梅を洗って、なり口を竹串でほじり取ります。保存用のビンを熱湯消毒しておく
② 梅の重さと、同重量の砂糖を準備
本来は甘さ控えめでジャムを作る私も、梅の場合は酸っぱいので砂糖は多めに入れます

※砂糖は三温糖でも上白糖でもお好きなものを。グラニュー糖がいちばん透明度が高いかな?
③ 鍋にお水(常温)を入れ、弱火にかけ、沸騰直前で火からおろす
※グラグラ煮立たせると皮が破れて、台無しになっちゃいますので気を付けて!
※使うお鍋はホーローなどが良いと思います!

④ 梅の実をザルにあけて優しく水気を切り、梅の実を鍋に戻して種をスプーンなどで分ける
梅がぷるっぷるになって、簡単に種が取り出せます♪
⑤ 種をザルに入れ、スプーンで身をこしとる
こんな感じ↓

結構、種の周りについてます!!
たくさん出ました!

⑥ 砂糖を分量の半分くらい入れて、よくかき混ぜながら中火にかける。アクが上がってくるのでこまめにすくい取ります
こんな細かい泡がアクなのでとってあげましょう↓

⑦ 残りの砂糖を全て入れて、弱火でコトコト煮込みます(お好みの煮詰め具合まで)
果肉感を残したいので、私はあえて煮込む前にみじん切りにしません♪
最終的に、梅の皮がペラペラ透明に~↓

⑧ 熱々のうちに瓶に詰めて、完成♡
森本さんの梅4Lサイズの11粒で、2瓶も作れました!(一般的なジャム瓶サイズ)

この森本さんの梅で作った梅ジャムは、ホントに最高♡
トーストやクラッカーに塗ったり、アイスにのせたりがオススメです!
ヨーグルトに入れると酸味が際立つので…お好みで。
豚肉と合わせたり、ドレッシングを作っても◎
最後に…
梅って、日本人の食文化ですよね!
大切に伝承していきたいもの。
こうやって梅の季節を楽しむって、本当に素敵だな~と思うのです。
年に一度の梅仕事。
毎年、新しい作り方を試してみたり、違うものに挑戦したり♪
また来年も森本さんの梅で楽しみたいな~!!